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■スパコンを使ったシミュレーションについて
     米国でコンピュートニクという新語を招いたほどの世界最高性能を持つスパコ「地球シミュレータ」が2002年に運転を開始して、計算科学の世界は大きく変身しました。従来は年オーダーの時間が掛かるため不可能だった計算が現実的な時間内にできるようになりました。
     その後も、デバイス開発の急速な進歩によりスパコンの性能は飛躍的に向上し、スパコンの性能で世界ナンバーワンを獲得るることが、世界での科学技術のランクでトップに立つことの様に受け止められてきました。
     我が国のスパコンを牽引しているのは文部科学省のプロジェクトにより2012年から稼働した理化学研究所が所有するスパコン「京」です。スパコンの性能ランクを表すTOP500では、2011年6月および2011年11月に1位を獲得しました。
     スパコンが「ハード」と呼ばれるのに対し、プログラムは「ソフト」と呼ばれていますが、この、ハードとソフトが一体となり初めて高速な計算が実現します。文部科学省はスパコン開発と平行して、ソフト開発に力を注ぎ、「戦略的基盤ソフトフェアの開発」、「革新的シミュレーションソフトフェアの研究開発」、「イノベーション基礎シミュレーションソフトフェアの研究開発」などが立ち上がり、弊財団もこれに参加し「プログラムの高速化、最適化、大規模化」の計算技術を構築してきました。
     さらに、近年においては、「社会生活に役立つスパコン」が求められています。「いままで解けなかった問題が計算が可能になり解けるようになった」だけではなく、「〇〇なる結果は、社会生活に役立った」が求められています。
     弊財団は文部科学省のCOIアクアイノベーション拠点(信州大学)に参企し、ロバスト水処理膜の開発を「実験」と「シミュレーション」が一体となって取り組んでいます。このようにして開発された水処理膜は、社会実装される計画です。また、素材メーカ、鉄鋼メーカ、金属メーカ、電線メーカとの共同研究により、「地球シミュレータ」、「京」をつかった、大規模シミュレーションより、新規材料開発、材料の欠点を改良するための問題解決などを進めています。
     現在、世の中に役立つシミュレーションを模索しながら、研究開発に取り組んでいます。

■次世代気候モデルの大規模シミュレーション・ソフトウエアの研究開発
    ../img/climate.jpg  高精度の地球変動予測のための並列ソフトウエアに関する研究(平成10〜14年度、文部科学省科学技術振興調整費)を行い、目下、この成果の一部を引き継いで、「人・自然・地球共生プロジェクト」の温暖化予測日本モデルミッションの一環として行われている地球シミュレータを使う計算を東京大学気候システム研究センター に協力して行っています。
     特に、次世代高分解能気候モデルの研究開発として、詳細な領域気象モデルを繋ぎ合わせて地球全体をカバーする新しい高分解能全球気候モデル等を開発し、温暖化、異常気象に強く影響を及ぼす赤道域の大気挙動について、地球シミュレータを使った研究を進めています。
■ナノテクノロジーにおける大規模シミュレーションの研究開発
    ../img/nano.gif  地球シミュレータを利用し、ナノカーボン類のナノ材料特性把握などを目的として、力学的な特性把握のために「並列量子分子動力学ソフトウエアCRTMD/P」を、電子状態解析のために「並列密度汎関数法平面波ソフトウエアDFT-PW/R」を開発するとともに、これらにより従来知られていなかったカーボンナノチューブ、フラーレンなどの特性の一部、また新機能創製の可能性などを明らかにしています。

     さらに、広範なナノテクノロジーへの応用として、ナノスケールの高温超電導体に誘起される複雑なエネルギー放射現象を解析する並列ソフトウエア「TERAPHASE」を世界に先駆けて開発し、地球シミュレータを利用した大規模シミュレーションによりテラヘルツ帯域波発振の機構解明、また産業応用へ向けた強力な光源、分析装置、大容量コネクション等の開発に関し、必要な理論、概念、設計に関する研究開発を行っています。
■ドラッグデリバリシステム(DDS)の大規模・ソフトマテリアル・シミュレーションに関する研究
    ../img/dds_s.jpg  がん治療等の遺伝子製剤を的確に患部へ運び最大の治療効果を発揮させる次世代医療法のドラッグデリバリシステム(DDS)の研究開発を、計算科学分野から支援・加速することを目的に、実験では扱い難い課題を中心に大規模シミュレーションにより研究しています。東京大学の片岡教授が世界に先駆けて開発したポリエチレングリコール(PEG)を用いた機能性高分子ミセル構造(約50nm)によるDDSを対象にしています。

     大規模シミュレーションは、第一原理電子状態、量子論的分子動力学(オーダN)等の手法を用いて、大規模原子数、多原子種の条件の下で実施しますが、これらは現状では地球シミュレータでのみ可能であり、世界最大級の分子機械シミュレーションとなるでしょう。
     本研究では、PEGミセル構造の発明者である東京大学の片岡教授を始め、土井教授等をメンバーとする「DDSシミュレーション研究会」を母体とし、化学、物理、医学等の異分野連携の下で、主に計算科学の専門家がシミュレーション研究を行います。
■研究会の主催
    ../news/log/0827-pic.jpg 先端計算科学の幅広い研究者との情報交換、協力研究の活動として、「カーボンナノチューブシミュレーション研究会」、「計算ナノテクノロジー研究会」、「テラヘルツ発振超伝導素子に関する大規模シミュレーション研究会」、「DDSソフトマテリアルシミュレーション研究会」等を開催・運営しています。

■成果の普及と発表
    ../news/log/sc1.gif 1) スーパーコンピューティング会議・展示会等に毎年出展参加しています。また、国内の大学・研究機関と共同でワークショップを開催し、米国、欧州の先端計算科学技術機関との研究交流を進めています。

    2) 公開ソフトウエアについては、RISTホームページ(http://www.tokyo.rist.or.jp)にダウンロードの窓口を提供するほか、必要に応じユーザー会を組織し、応用情報の交換・ソフトウエアの普及などに努めています。




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